パラサイト・トランス
第1章 フクロムシ
進化と系統
フクロムシ類はキプリス幼生を持つことからフジツボ類と近縁であると考えられ、分子系統からも根頭上目(フクロムシ類)は完胸上目(フジツボ、エボシガイなど)と姉妹群になることが支持されている。次に近縁なのは尖胸上目(ツボムシ類)であり、この3グループをまとめて蔓脚下綱(フジツボ下綱)と呼ぶ。
蔓脚類の中で、寄生して宿主から栄養を得ているのはフクロムシ類のみであり、残りの2グループは濾過食者である。フクロムシ類の祖先もおそらく濾過食者であると推定されており、他の節足動物の体表に付着して濾過食を行う段階を経由して、現在のような寄生が進化したのだろうと思われる。なおフクロムシ類は単系統群であり、寄生の進化はこのグループの進化史上一度だけ起こった出来事のようである。異尾類(ヤドカリやコシオリエビ)に寄生するものがもっとも祖先的であるとされている。
フクロムシ類の内部では、ケントロゴン目の一系統がアケントロゴン目であることが明らかになっている。つまりアケントロゴン目は単系統群だが、ケントロゴン目は側系統群である。したがって、ケントロゴンによる宿主への侵入が祖先的であり、アケントロゴン目は二次的にケントロゴン段階を失ったことになる。
フクロムシ類はキプリス幼生を持つことからフジツボ類と近縁であると考えられ、分子系統からも根頭上目(フクロムシ類)は完胸上目(フジツボ、エボシガイなど)と姉妹群になることが支持されている。次に近縁なのは尖胸上目(ツボムシ類)であり、この3グループをまとめて蔓脚下綱(フジツボ下綱)と呼ぶ。
蔓脚類の中で、寄生して宿主から栄養を得ているのはフクロムシ類のみであり、残りの2グループは濾過食者である。フクロムシ類の祖先もおそらく濾過食者であると推定されており、他の節足動物の体表に付着して濾過食を行う段階を経由して、現在のような寄生が進化したのだろうと思われる。なおフクロムシ類は単系統群であり、寄生の進化はこのグループの進化史上一度だけ起こった出来事のようである。異尾類(ヤドカリやコシオリエビ)に寄生するものがもっとも祖先的であるとされている。
フクロムシ類の内部では、ケントロゴン目の一系統がアケントロゴン目であることが明らかになっている。つまりアケントロゴン目は単系統群だが、ケントロゴン目は側系統群である。したがって、ケントロゴンによる宿主への侵入が祖先的であり、アケントロゴン目は二次的にケントロゴン段階を失ったことになる。