パラサイト・トランス
第2章 始まりは海水浴
僕を馬鹿にする奴らを見返す為、お姉さんの手を借りて、今年は少し、いやかなり危険な生物を利用した実験を行うことにした。
毒を持つウニの仲間、ガンガゼだ。
ガンガゼの棘は、長いもので三十センチメートルにも達する。皮膚に刺さると毒が注入されるのだが、棘は中空で脆く、刺さると細かく砕けて抜き取れなくなる。
自由研究の内容は、ガンガゼの毒がどんな生き物にどんな影響を及ぼすか、というものだ。この為にわざわざラットやウーパールーパーを取り寄せた。今日はここで魚と、できれば軟体動物を捕まえることができればいいと思っている。
ゴーグルを身に着け、タイドプールの中に入っていく。火照った身体が冷やされて具合がいい。
「さあ、捜すぞ!」
息を吸い込むと、顔面を水面に突入。さてさて獲物はどこにいる? そう考えた矢先、
「ゴボッ?!」
右足の脛に、猛烈な痛みが走った。驚いた僕は海水をしこたま飲む羽目になる。しょっぱい、でも痛みの方が勝った。
足元を確認すると、幸か不幸か、入手が困難でお姉さんの友達のツテで手に入れる予定だったガンガゼが棘を揺らしていた。恨めしい。僕は君を終生許さないだろう。多分。
「とにかく治療だ!」
すぐ水から上がり、痛む足を引きずって帰路についた。お姉さんに診せたら笑われそうだ。
毒を持つウニの仲間、ガンガゼだ。
ガンガゼの棘は、長いもので三十センチメートルにも達する。皮膚に刺さると毒が注入されるのだが、棘は中空で脆く、刺さると細かく砕けて抜き取れなくなる。
自由研究の内容は、ガンガゼの毒がどんな生き物にどんな影響を及ぼすか、というものだ。この為にわざわざラットやウーパールーパーを取り寄せた。今日はここで魚と、できれば軟体動物を捕まえることができればいいと思っている。
ゴーグルを身に着け、タイドプールの中に入っていく。火照った身体が冷やされて具合がいい。
「さあ、捜すぞ!」
息を吸い込むと、顔面を水面に突入。さてさて獲物はどこにいる? そう考えた矢先、
「ゴボッ?!」
右足の脛に、猛烈な痛みが走った。驚いた僕は海水をしこたま飲む羽目になる。しょっぱい、でも痛みの方が勝った。
足元を確認すると、幸か不幸か、入手が困難でお姉さんの友達のツテで手に入れる予定だったガンガゼが棘を揺らしていた。恨めしい。僕は君を終生許さないだろう。多分。
「とにかく治療だ!」
すぐ水から上がり、痛む足を引きずって帰路についた。お姉さんに診せたら笑われそうだ。