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チェックメイト

第11章 Are you ready?

櫻井さんの会社の近くには、
三つの高等学校があった。

その内に一つに通ってるのかっていうと
それは違う。

櫻「でも、一つ駅が違うだけじゃん」

って、櫻井さんは言うけど俺はちょっと悔しいんだよな。

櫻井さんの会社の近くの高等学校。
全部、受験で落ちたとこだから。

はぁ…。

なんでちゃんと勉強しなかったんだろ。

後悔に駆られる。

櫻「二宮は、どうする?」

「え?」

櫻「俺は、車で行くけど」

車のキーを握って、スーツのポケットに閉まった。

「あ、電車で行…」

櫻「送る」

「へ?」

櫻「送るって言ってるの」

「い、いいの?」

櫻「うん」

「遠回りになるよ?」

櫻「わかってて言ってるの」

頭をくしゃくしゃされて、
「寒い、寒い」
言いながら、着替えを始めた。

櫻「おら、間に合わねーぞ」

シャツを投げつけられる。

櫻「早く、着替えろ」

ふっと笑う。

俺、その顔大好きだよ。

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