
チェックメイト
第12章 僕の理想も
────────
『カズの夢ってなに?』
“みんな”から聞かれたことがある。
でも、俺は答えられなかった。
「ないよ」
って、答えるのが精一杯だった。
智は
『世界の美味しいものを、いっぱい食べたい!』
って、言ったんだ。
智らしい夢だ、と“みんな”で笑った。
こんな日常が幸せだった。
そんな幸せな日常に転機がやってきた。
それは『櫻井翔』との出会いだった。
───────────
「櫻井さん!」
起き上がり目の先に飛び込んだのは、
ヒロだった。
前「二宮、大丈夫か?」
「あぁ…うん…」
なんか目が合わせられなくて、
俯くと目から水が流れ落ちた。
「…え」
ボロボロ落ちた涙の先に
黒い布が見えた。
「……え」
顔を上げると、
黒いハンカチを俺に差し出していた。
前「使え、泣いてんだろ」
いつまでも、ハンカチを受け取らない俺の頬をそのハンカチでヒロは撫でるように拭いてくれた。
前「泣くな、バカ」
目の前にいるヒロが櫻井さんに見えた。
『カズの夢ってなに?』
“みんな”から聞かれたことがある。
でも、俺は答えられなかった。
「ないよ」
って、答えるのが精一杯だった。
智は
『世界の美味しいものを、いっぱい食べたい!』
って、言ったんだ。
智らしい夢だ、と“みんな”で笑った。
こんな日常が幸せだった。
そんな幸せな日常に転機がやってきた。
それは『櫻井翔』との出会いだった。
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「櫻井さん!」
起き上がり目の先に飛び込んだのは、
ヒロだった。
前「二宮、大丈夫か?」
「あぁ…うん…」
なんか目が合わせられなくて、
俯くと目から水が流れ落ちた。
「…え」
ボロボロ落ちた涙の先に
黒い布が見えた。
「……え」
顔を上げると、
黒いハンカチを俺に差し出していた。
前「使え、泣いてんだろ」
いつまでも、ハンカチを受け取らない俺の頬をそのハンカチでヒロは撫でるように拭いてくれた。
前「泣くな、バカ」
目の前にいるヒロが櫻井さんに見えた。
