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チェックメイト

第13章 風は追い風

(櫻井side)

二宮から、連絡が入った。

〔今日、早退することになりました〕

そのメールを読んだ瞬間、
職場ということを忘れて叫んだ。


「早退!?」


松「翔、うっさい」

デスクに突っ伏してた潤が顔をあげる。
しかも、眠そうに目を擦っていた。


「いや、あの、そ、早退…」


心配になった。
迎えに行きたい。


松「早退?」


「……」

俺も早退して、すぐに家に帰って
様子を見たい。


松「無視すんなよ」

「あぁ…ごめん」

松「早退って、誰が?」

「いや、その…」

松「前に言ってたクソガキ?」

「え?」

なんで、知ってんの?

松「あ、クソガキなんだ!」

「な、なんで」

松「前に言ってただろ。クソガキとの約束があるー、みたいなこと」


ああ、二宮と初めて会ったときの…


松「なに?学生なの?」

「いや…まあ、その…」


潤には、
何となく会わせたくないな…。

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