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第20章 二人だけの記憶

櫻「なんだ、嫉妬か?」

おかしそうに笑う櫻井さん。

「嫉妬じゃない、別に」
櫻「そーゆうとこも、可愛いわ」

「なっ!また、言う……」

櫻「はは、で?何しにここに?」

ショッピングセンターに来た理由は
櫻井さんには教えてない。

「あの…ネクタイを……」

『誕生日プレゼントは、俺♡』的なことになってる。

だから、ちゃんと物をプレゼントしておきたい。

櫻「ネクタイ?いいの?」

「うん」

櫻「え?お金は?」

「……ゲーム売った」

どうしても、プレゼントしたくて
一番やってないゲームカセットを2つ売ったんだ。

櫻「……泣くぞ」

手で口元を隠して、眉を寄せながら
泣きそうな顔をして、言った。

「なんで、泣くの」

櫻「だって、二宮にとって一番大切なゲームを売るなんて……」

確かに、ゲームは大切。
毎日やらないと気がすまない。

「でも……」

櫻「ん?」



「ゲームよりも、櫻井さんの方が大切だから……」


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