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第4章 刻む時間

真夜中、目が覚めた。

ニ「櫻井さん…寒いでしょ…」

腕を引かれる。

ニ「一緒に寝よ?」

その声は、儚くてすぐに消えてしまいそうだった。

「二宮、大丈夫なのか?」

正直、寒かったからモゾモゾと布団に入った。

ニ「大丈夫…。俺には櫻井さんがいるんでしょ?」

ギュッと、俺にしがみついた。
正面から抱き合うのは初めてだった。

「そうだったな…」

ニ「櫻井さん…」

「ん?」

ニ「今日1日、ごめんなさい」

「謝らなくていいよ」

ニ「でも、取り乱したり…いっぱい櫻井さんのこと叩いた…」

確かに、いっぱい叩かれた。

「大丈夫、そんなに痛くなかった」

男に叩かれたというよりも、
女に叩かれたみたいだった。

ニ「そっか、ならいいや」

「開き直り、早いな」

ニ「ふっ、ふふっ」

今までとは、確実に違う笑顔だった。

「寝るぞ」

ニ「おやすみなさい」

「ん。おやすみ」

俺は二宮に抱きつかれたまま、
眠りについた。

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