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第4章 刻む時間

ニ「なに?」

「お前、俺を追いかけて来ただろ?」

ニ「うん」

ずっと、考えてた。
頭から離れなかった。

「俺は、お前のことを思い出せない」

ニ「……うん」

「それでも、いいか?」

これだけ、確認はしておきたかった。
『嫌だ』って言われたらそれまで。

二宮と関わることは、ないだろう。

ニ「嫌だ…」

「そうか……なら」

二宮が持つ鍵を取ろうと、手を伸ばす。

ニ「嫌だよ…」

泣きながら、鍵を握りしめてた。

「なら、返せ」

ニ「違うよっ」

バッと顔をあげて、唇を噛み締めた。
その唇から血が出そうで…。

ニ「俺は…櫻井さんじゃないと、嫌だ…だから…思い出さなくてもいいって…俺は思ってたんだよ?」

俺じゃないと嫌だ?

ニ「櫻井さんがいいの…」

鼻を啜りながら、裾で涙を拭いていた。

「二宮、泣くな…」

頭を撫でる。

てか、最近は二宮の頭ばっかり撫でてる気がする。

ニ「泣いてない…んっ…んっ!」

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