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第4章 刻む時間

重い空気のまま、スーパーに来た。

「着いたぞ」

ニ「うん…」

気まずそうな二宮。

「二宮」

ニ「な、なに?」

「手、だして」

二宮は恐る恐る俺に手を差し出した。

「はい。あげる」

ニ「こ、これって…」

渡したのは、合鍵。
黄色いカバーをつけた。
(潤から貰った)

「一緒に住むんだから、鍵が無いと不便だろ?」

本当は、もっと空気が軽いところで渡すつもりだったのに…。

この重い空気を脱するには、
これしか思いつかない。

なのに…

ニ「……」

なんで何も言わないの!?

軽く傷ついてるんですけど。

「に、二宮?」

ニ「いいんですか?」

「あぁ」

ニ「俺、体こんなだし…よく取り乱したりするし…」

ビビりながら、俺に問いかけた。

「いいよ」

ニ「本当に?」

「本当に。それに…俺も言わないといけないことがある」

昨日の夜に言おうと思ってたんだ。
だけど、二宮が倒れちゃって言えなかった。

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