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第8章 君に夢中さ

朝、目を覚ますと隣に櫻井さんの姿はなかった。

「んぅ?」

櫻「あ、はい…。すいません、しばらくお預かりします。一週間後に…はい。わかりました。あ、それは本人から聞かせてもらいますんで」

寝室から顔を覗かせると、
家の固定電話で、誰かと話してる櫻井さん。

真剣な顔になったり、
少し微笑んだり、
電話を耳にあてながら頭を下げたり、

百面相だな。

まぁ、どの顔もかっこい……

櫻「あれ?起きてた?おはよ」

「おはよう」

櫻「あ、一週間学校休みにしたから」

「学校?」

あ、今日って月曜日か。

櫻「そ。制服ないし、鞄もないから」

寒い、寒いと呟きながら、
こたつに入ってテレビをつけた。

櫻「あ、よく寝てたね。寝顔、可愛かったよ」

「なっ!」

櫻「ほら、寒いだろ?おいで」

俺は、素直に隣に座った。

「櫻井さん、会社は?」

櫻「ん?今日は、仮病で休み」

「仮病!?」

櫻「ちなみにお前も仮病で休みだから」

「な、なんで仮病?」

櫻「一番、信憑性があるから」

なんだそれ。
信憑性ってなんだよ。

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