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第8章 君に夢中さ

俺は、櫻井さんをキッと睨んだ。

櫻「お前、なんて顔してんだよ」

「いつもの顔ですけど?」

俺の顔を見て、鼻で笑うみたいに顔を歪めた。

櫻「言っとくけど、お前の判断に口出す気はないからな」

「は?」

俺の『判断』?

櫻「縛るつもりは、ない」

俺に目線を合わせて、ふっと微笑んだ。

「…どうして」

口から漏れる。
思ったことが、知らずの内に声に出る。

「なんで、縛らないの?」

櫻「んあ?理由なんて簡単だろ」

椅子に座ってた櫻井さんが急に立ち上がって、ベットに腰を下ろした。

櫻「おいで」

「え?」

ベットをポンポンと叩く。

櫻「ここ、おいで」

鼻をズズって吸って、
腕を組んで優しく微笑む。

その笑みに吸い込まれるように、
隣に腰をかけた。

櫻「ふふ」

急に笑い出した。

「なに…うわっ!」

ベットに押し倒される。
櫻井さんは俺の上に跨がる。

「ど、どうし…」

櫻「お前を、信じてるからに決まってるだろ?」

「へ?」

櫻「お前は、絶対に俺のとこに帰ってきてくれるって信じてるから」

だんだんと顔が近づく。
反射的に目を瞑ってしまう。

櫻「ふっ、しねーよ」

目を開けると、既に顔が離れていた。

物足りなくて起き上がって
首に腕を回して、自分からキスをせがんだんだ。

櫻「なに?してほしいの?」

「…悪い?」

櫻「素直じゃないなぁ」

優しくベットに押し倒された。

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