テキストサイズ

チェックメイト

第1章 明日はかならず

会社に戻ると、いつものアイツが煎餅をバリバリ頬張ってた。

「また煎餅かよ、潤」
松「おー、おかえり」

「ただいま。資料は?まとまった?」

松「当たり前田のクラッカー」

「古っ」

今どき、その言葉使うのお前だけだよ。

松「はい。資料のコピー」

「サンキュー」

潤は、よくモテる。

松「なんで翔ってモテないの?」
「やめろ。傷を抉るな」

モテる奴の余裕か。
クソっ。

「お前は、なんでそんなモテるんだよ。毎日、煎餅食ってるくせに」

濃い顔で煎餅なんてアンバランスだろ。

松「そこがいいんだよ」

「自分で言うな」

潤の頭をファイルで叩く。

松「うわっ、物は使っちゃ駄目だろ。反則だ、反則!」

「反則もクソもねぇだろ」

何に対して、反則って言ってんだよ。

松「あ」

「なんだよ」

松「翔がモテないのって…」

潤が俺の顔をマジマジと見る。

「え?」

衝動的に顔を触る。

松「言葉使い」

「え」

松「ほら、翔って言葉使い悪いじゃん」

クソ。
顔、触って損した。

いや、損はしてないな。

松「俺は、キレーイな言葉しか使わないからな」

誰か、コイツを殴ってください。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ