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第10章 信じたなら その先

『したい』

二宮は、そう言った。
だったら、その望みを叶えてやるまで。

だけど…。

ギュルル…。

「ご飯が先じゃダメかな?」

ニ「いいよ。じゃあ…櫻井さんが作ってよ」

「はぁ?」

ニ「お願いね♪」

涙の痕が残る顔で笑った。

「え、えー!マジかよ!」

ニ「マジだよー♪」

食べないと、体力持たねぇし…。

潤、すまん。俺、作るわ。

唐揚げじゃないから、安心してくれ。


-30分後-


ニ「なにこれ」

「オムライスです」

ニ「なんで、オムライスが緑っぽい色してんの?」

ごめん、潤。
全然、ダメだったよ。

俺は、どうやら料理をすると
全てが緑っぽい色になっちゃうみたい。

「食べない方が、身のため…」

ニ「いただきまーす」

スプーンで、緑っぽい色をした卵とご飯を口に運んだ。

「あー、食べないでいいって…」

ニ「櫻井さん…」

眉間にシワを寄せて、俺を見た。

「出しなよ、不味いだろ?」

ニ「これ、超旨いよ」

一言だけ言って、ぱくぱくと口にオムライス(仮)を運んでいった。

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