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雪の日の空に

第4章 表と裏

「ゆき!」

出社すると物凄い剣幕で美咲が現れた。

「おはよう。どうした?」

怒ったような美咲からすると、また男絡みで何かあったのかと思った。

「ねぇ、どうゆう事?」

でもその怒りはなぜか私に向かっている。

私、美咲に何かしたっけ?

グルグルと頭の中で考える。

「昨日、佑月さんの家に行ったって本当?」

あ…。

そういう事か。

「それは…。」

「ゆき、酷いよ。」

今まで見た事のない美咲の表情に次の言葉が出てこない。

私と塩沢さんは、美咲の思っているような関係じゃない。

そんなこと言っても、きっと信じてくれるわけ無い。

噂なんて独り歩きして、事実とは違う内容になる。

美咲の耳に入っていると言うことは、社内中の女子の耳にも届いているだろう。

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