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雪の日の空に

第8章 愛した人は…

抱きしめられながら、さっきまで繋がっていた感覚がまだ残っている。

「俺責められたの初めてなんだけど。」

今更恥ずかしくなり、顔を佐月さんに埋めた。

あんな姿を好きな人に見られ、あの時は興奮すら覚えてしまったけど

冷静になってみるととんでも無いことをした気がした。

「私だって初めてです。」

「そうなの?凄かったけど。」

フッと笑いを漏らした佐月さんに、からかわれてる気がしてならない。

「佐月さんのせいですよ。」

でも、これでやっと私を見てくれた。

佐月さんの初めては私がもらった。

「ねぇ、本当に彼女になる?」

「え…?」

佐月さんの突然の申し出に驚き顔を上げた。

そんな事言われると思ってなかった。

嬉しさと、感動で涙が滲んだ。

「あー、嫌?」

首を思い切り横に振る。

「いいんですか?」

佐月さんの心に誰がいるのか今ははっきり分からないけど、そう言ってくれた佐月さんに素直にすがりつきたい。

「ゆきは俺でいい?」

今度は思い切り頷く。

「佐月さんがいいです!」

そう言うと、佐月さんは笑顔で私を抱きしめ、キスをした。
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