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エスキス アムール

第11章 デート





「おはよう。はるかちゃん」


「おはようございます。」



いつも会うのは夜だった。
こんな明るい時に、
外で会うなんて


緊張して
心臓がバクバクいっている。

目を合わせていると、
そんな私のことがバレてしまいそうで、
急いで優しい瞳から
目をそらした。


「なんか…新鮮だね」

そういって、彼は笑う。



「……初めてですね」


「ん?」


「私服…」


「あー、いつもスーツだもんね」

ごめんね、こんな格好で。
そう言って、彼は申し訳なさそうに笑った。

ファッションには、
まるで興味がないのだという。


綺麗な紺色のシャツに、パンツという、ラフな格好。
それは、とても彼に似合っていて
その青がとても映えていた。



「いえ…とてもお似合いです…」




声が震えている気がして、
俯いた。




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