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エスキス アムール

第2章 オオノさん






「…」


あぁ、私、これから抱かれるんだ。


この先にある行為を、
期待してしまう。
この期待が
ばれてしまうんじゃないかって、ドキドキする。

好きだって
つい言ってしまうんじゃないか。

そう思うと、
嫌な緊張が走った。


「キス、していい?」

その色気を含んだ声に、
酔いそうになりながら頷いた。

キスを受け入れるのは
大野さんだけだ。

他の人は断っている。

それを彼は知らない。


「…ん…ふ」


だんだんと、
唇が湿り気を帯びていく。

最初はふれるだけだった唇も
啄ばむように変わり、
いやらしい音が部屋に響いた。


少しだけ唇を開くと、
大野さんの舌がそっと入ってきて、
上顎を撫で上げる。


「んんっ…ん」

ゾクゾクする。

身体が震えて、
大野さんのシャツの袖を
ギュッと握った。




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