
エスキス アムール
第26章 彼の邸宅
【木更津side】
走る走る走る
こんな日に限って、
車は渋滞に巻き込まれるし。
エレベーターもいつも
もっと早い気がするんだけど。
いちいち、遅く感じた。
波留くんは知らない間に
ホテル暮しを始めていて、
中々見つけることができなかった。
ようやく見つけた彼は、ひとり、
ホテルで滞在していて。
すこしだけ、痩せていたような気がした。
別に変なことをしようと思って
行ったわけじゃない。
ただただ、彼が心配で
一目、その姿を見たかった。
まさか、彼が僕を受け入れてくれるとは
思っても見なかったけど、
きっと、あのときの彼は
なにも考えずにただ欲望を満たす。
それだけだったのだと思う。
それでも、彼を抱けたことは嬉しかった。
波留くんが家で待っていると思うと、
仕事なんかやってられないし。
ちゃちゃっとやって
ちゃちゃっと帰ってきた。
昼休みを抜け出して、遅れて帰って来て
心ここにあらずの僕を見る
秘書の目がとても痛かった。
とてもじゃないけど、
彼女に波留くんと住むなんて
いえない。
どんな報復を受けるかわからないからだ。
「ただいま!!」
シーン
息を切らしながら
慌てて帰ったのにも関わらず、
お帰りの一言もない。
まるで人が誰もいないかのような
静けさだった。
だけど、いつもと違うことは、
部屋が暖かくて電気もついている。
いつもと違う感じにドキドキした。
「…波留くん?」
テレビの音すらしない。
あまりにも静かなので不安になった。
やっぱり思い直して
何処かに行っちゃったんじゃないか。
僕と住むのが嫌で
逃亡しちゃったんじゃないか。
いろんな心配事が頭をよぎる。
まあいなくなったら
興信所にでも何にでも頼めばいいんだけど。
不安になりながらも
ドアを開けると、
「あ…」
波留くんは、
ソファに横になって寝ていた。
走る走る走る
こんな日に限って、
車は渋滞に巻き込まれるし。
エレベーターもいつも
もっと早い気がするんだけど。
いちいち、遅く感じた。
波留くんは知らない間に
ホテル暮しを始めていて、
中々見つけることができなかった。
ようやく見つけた彼は、ひとり、
ホテルで滞在していて。
すこしだけ、痩せていたような気がした。
別に変なことをしようと思って
行ったわけじゃない。
ただただ、彼が心配で
一目、その姿を見たかった。
まさか、彼が僕を受け入れてくれるとは
思っても見なかったけど、
きっと、あのときの彼は
なにも考えずにただ欲望を満たす。
それだけだったのだと思う。
それでも、彼を抱けたことは嬉しかった。
波留くんが家で待っていると思うと、
仕事なんかやってられないし。
ちゃちゃっとやって
ちゃちゃっと帰ってきた。
昼休みを抜け出して、遅れて帰って来て
心ここにあらずの僕を見る
秘書の目がとても痛かった。
とてもじゃないけど、
彼女に波留くんと住むなんて
いえない。
どんな報復を受けるかわからないからだ。
「ただいま!!」
シーン
息を切らしながら
慌てて帰ったのにも関わらず、
お帰りの一言もない。
まるで人が誰もいないかのような
静けさだった。
だけど、いつもと違うことは、
部屋が暖かくて電気もついている。
いつもと違う感じにドキドキした。
「…波留くん?」
テレビの音すらしない。
あまりにも静かなので不安になった。
やっぱり思い直して
何処かに行っちゃったんじゃないか。
僕と住むのが嫌で
逃亡しちゃったんじゃないか。
いろんな心配事が頭をよぎる。
まあいなくなったら
興信所にでも何にでも頼めばいいんだけど。
不安になりながらも
ドアを開けると、
「あ…」
波留くんは、
ソファに横になって寝ていた。
