
エスキス アムール
第32章 彼と実験
明日は金曜日だ。
数週間前だったら、
きっと彼は俺の身体を求めてきただろう。
だけど、明日ももしかしたら
しないかもしれない。
木更津から求められなくなるまで
毎週2日、必ず決まった日に
気絶するほどの快感を感じていた身体は
もう、我慢の限界だった。
はやく、木更津に触って欲しい。
挿れて欲しい。
木更津を見るたびに疼くし、
どうしたらいいのかわからなかった。
単純に、言葉で聞けば
いいことなのかもしれない。
だけど、拒絶された時のことを考えたら
どうしても聞けなかった。
木更津はまだ帰ってこない。
一ヶ月ほど前にした
行為のことを思い出していた。
「…っあ」
我慢していた身体は正直で。
意図せずに、すぐに熱を持った。
もう、だめだ。
久しぶりだった。
久しぶりの自慰行為。
それを男でする日が来るなんて
思ってもみなかった。
ゆっくり、
そこに手を伸ばす。
