
エスキス アムール
第32章 彼と実験
時間を見ると、まだ木更津は
帰ってこない時間だ。
「んん…っ」
どんどんどんどんスピードを速めた。
誰もいないと思うと
自然と声も大きくなる。
「はぁ…っんゃ、き、さらづっ」
目を瞑って
木更津にされているところを想像する。
興奮した。
「あ…っだめ…イくっ」
我慢できなくてしてみたものの、
やっぱり、自分でする行為は物足りなかった。
乱れた呼吸を落ち着かせて
ティッシュで汚れを拭き取る。
もうだめだ
限界だ。
いつになったら木更津は俺のことを
求めてくれるのだろうか。
少しだけ眠ろう。
目を瞑って木更津の帰りを待った。
廊下で木更津が
興奮しながらガッツポーズを
していることも知らずに。
