
エスキス アムール
第53章 矢吹は良いやつ
【波留side】
「あれ、どうしたの?」
「ちょっとね、近くまできたものだから」
初めて会った日から、度々矢吹はうちの会社に用も無く来るようになった。
その度に、いつも美味しい食べ物を人数分置いて行ってくれる。
「ちょ、これあそこのすごい並ぶって噂のケーキ屋じゃないですか!!大野さん要さん見て見て!!」
はしゃぐ高峰に苦笑いをして、矢吹を見ると、木更津みたいに微笑んでいた。
似ているその雰囲気に、不覚にもドキリとしてしまう。
「矢吹いつも悪いな。
気を遣わせちゃって。」
「いいんだよ。買って行くとみんな喜んでくれるから。
僕はそれが嬉しくて勝手にやってるだけなんだから。
大野くんも気を遣わないでよ」
なかなか順調な滑り出しではあるけど、まだまだ、うちの会社は小さい。
これで矢吹の会社との連携が成功すれば会社の名前も知れることになって、いくらか状況も変わってくると思っている。
だから、この連携はどうしても気が抜けない。
でも矢吹とは、良い関係を築けているし、あまり心配はしていなかった。
「あれ、どうしたの?」
「ちょっとね、近くまできたものだから」
初めて会った日から、度々矢吹はうちの会社に用も無く来るようになった。
その度に、いつも美味しい食べ物を人数分置いて行ってくれる。
「ちょ、これあそこのすごい並ぶって噂のケーキ屋じゃないですか!!大野さん要さん見て見て!!」
はしゃぐ高峰に苦笑いをして、矢吹を見ると、木更津みたいに微笑んでいた。
似ているその雰囲気に、不覚にもドキリとしてしまう。
「矢吹いつも悪いな。
気を遣わせちゃって。」
「いいんだよ。買って行くとみんな喜んでくれるから。
僕はそれが嬉しくて勝手にやってるだけなんだから。
大野くんも気を遣わないでよ」
なかなか順調な滑り出しではあるけど、まだまだ、うちの会社は小さい。
これで矢吹の会社との連携が成功すれば会社の名前も知れることになって、いくらか状況も変わってくると思っている。
だから、この連携はどうしても気が抜けない。
でも矢吹とは、良い関係を築けているし、あまり心配はしていなかった。
