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「…馬鹿にしてるのか…？」

「馬鹿にしてない。波留くんの大好物だし、本当に美味しいよ。
だから…おすすめ。」



彼は、おすすめの波留くん料理を僕に教えると、優しく微笑んだ。

その内容に、おちょくられているのかとも思ったけど、そうでもないらしい。


そういえば、波留くんの好きな食べ物なんて聞いたことなかった。





「ふ、ふざけるな！波留くんのこと不安で仕方ないくせに…っ！
だから、僕にも電話をしてきたんだろ？」

「…違う」

「余裕がないなら、余裕が有るふりするなよ！！そういうところが気に食わないんだ。そういうところが嫌いなんだよ！！」


「…矢吹、違うよ」


声を荒げる僕とは違い、光平くんの声は穏やかで優しかった。
違う違うと、僕を宥める。


「なにが…っ違うんだよ…！」

「電話したのは、葉子さんのこと知ったから。」



思いがけず、彼から自分の母親の名前が出てきて、驚いた。