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エスキス アムール

第58章 邪魔

【波留side】





「…今何してるかな…こーへい…」




矢吹の部屋で、寝転びながら木更津の電話番号を見てずっと考えていた。



矢吹は大分落ち着いてきた。
最初の頃は夜も眠れなかったけど、最近は抱きしめなくても眠れるみたいだし。


もうそろそと帰ってもいいんじゃないかと思っている。


でも引っかかるのは木更津のことで。


あんな風に出てきてしまった俺が悪いのだけど、あれから一回も木更津から連絡がない。

しかも、時計も忘れてきた。



これは最悪な状況だ。



何度も電話をしようかと思ったのだけど、拒絶されるかもしれないという恐怖と、声を聞いたらすぐにでも帰ってしまいそうで、控えていた。



矢吹は安定はしてきたものの、すぐにいなくなるわけにもいかないし。



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