
エスキス アムール
第64章 一方その頃
光平くんが米をカピカピさせたと思うとイライラするけど、波留くんがしたのだと思うと、そんな米さえも愛しく思えるのは重症だろうか。
けれども、波留くんに米をカピカピさせたのが光平くんだと思うと、残飯に突っ込みたくなる。
「……荷物、送ろうか?」
その言葉に、波留くんは取りに行くよ。と言ってくれたけど。
その向こうで
『いいよ、取りに行かなくたって買えばいいでしょ?
波留くん服少ないんだし』
『だって……携帯もあるし』
『携帯は解約して、新しいのにすればいい』
『でも……』
なんてやり取りが聞こえる。
おい。
そんなに僕のところに寄越したくないのか。
いいだろ?服取りに来るくらい!!
『……じゃあ…じゃあさ?一緒にいこう?矢吹のところ』
『二人で?それなら……まあいいけど。』
「……」
よくねーわ!!
なんで、二人がイチャイチャするところを見なきゃなんねーんだよ!
わかったよ!郵送すればいいんだろ?!
