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エスキス アムール

第66章 木更津の動揺








「波留くん、ただいま。」

「あ、おかえり。光平」


木更津は帰ってくると、ソファに座っていた俺を抱きしめて、額にキスを落とした。

俺がニコリと笑うと、木更津もニコリと笑う。



キスを落とされた額がじわじわと熱くなって、ああ、俺はこの人に愛されているんだなと強く実感した。

毎日毎日、これを繰り返している。


毎日毎日、木更津からの愛情を感じている。


だから、気は引ける。
こんなに愛してもらって他に何が必要なんだと言われるかも知れない。

本当に、そうなんだけど。


俺はね、ちょっとね。
好奇心っていうかさ。


木更津はオロオロしているところなんて見たことないし。
泣いているのも、一回くらいしかないし。


だから、今回のことで、ちょっとだけオロオロしている木更津がみたいなって思ったんだよね。










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