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散る華如く ~男遊郭に咲いた華~

第3章 郭を訪れて・・・

「え・・・?」

「そろそろ床入りの時間だよ・・・」

ときわは妖しい笑みを浮かべた。

「でも、わたし・・・」

しをなは泣きそうに瞳が潤ませて言った。

「怖いのかい?」

「だって、わたしは・・・」

「―“初めて”・・・なんだろう?」

「こう(、、)いう(、、)場所(、、)だって、分かっていたはずなのに・・・ごめんなさい。」

彼女は潤んだ瞳をそのままに、謝った。

「そんな様子じゃ、手出ししようにもできないねぇ・・・」

「いいさ、手は出さないよ・・・今夜(、、)は(、)。」

「今夜は?」

「アンタがオレに抱かれてもいいって思えるまで・・・待つよ。」

「・・・ごめんなさい。」

はっきりとした後悔の念が、その一言に込められていた。

「気にしなくていいよ、しをな・・・」

ときわは邪気のない、優しい微笑みをうかべて言った。

「代わりに、アンタを抱きしめて眠りたい・・・いいかな?」

「はい・・・ときわさん。」

彼女は微笑んだ。

―二人は布団の中で抱き合い、眠りについた。

***

そして、次の日になり―

「またオレに・・・逢いに来てくれるかい?」

「ええ・・・必ず来ます。」

しをなは彼に微笑みかけて、帰って行った。

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