《番犬女》は俺のもの
第2章 宝物
「あ…っ、茜さん…」
「…?」
四時限の数学が終わり
担当の教師が片付けを始める。
まるでそれをせかすように、腹へったぜ~!という男どもの声があちこちから発せられていた。
久藤 茜は無言でノートを閉じ、自らも食べようと鞄に手を突っ込んだ時
斜め後ろから声をかけられたので振り返った。
「…どうした?」
「…あの…っ、その」
声をかけてきたのはクラスの女生徒だ。
「よかったら…お弁当、一緒に食べませんか…?」
「……」
「駄目ならそれでいいんだけど…っ」
「……」
「…オドッ」
この光景は何であろう。
彼女は茜に怯えているのか?
──否、そうではない
「……///」
照れているのだ…(汗)