《番犬女》は俺のもの
第31章 茜の反撃
「呼び方なんてどっちでもいいだろう…っ」
「よくない。結婚したら俺たちは同じ名字になるんだよ? ──…だから今のうちに…ね、きちんと練習しとかないと、さ」
「……っ」
「呼びなよ……」
「…ッ、…れ、零」
「…クスッ」
よくできました
零は彼女の身体を引き寄せて、ご褒美のキス…。
「──…///」
“ ああー、結局はこうなるのかよ… ”
一泡ふかせてやろうと思ったのに
まただな……無念だ。
「俺は、君と……結婚したい」
結婚…か。
結婚したら、私もこいつの戸籍偽造を手助けする事になるのか……?
──…ま、今更だな。
お前がどこぞの星からきたエイリアンだろうが
天才発明家が作ったアンドロイドだろうが
私が全部、受け止めてやるよ。
「うーん、やっぱり」
「……?」
「俺のほうが年上なんだし《零》より《零さん》って呼ばれたほうが…しっくりくるよね。──…ね、ほ~らほら、呼んでみて」
「……( イラッ )」
ゴッッ ン───
「──…誰が呼ぶか…!!」
『《番犬》が女に戻るとき... 』(完)
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