《番犬女》は俺のもの
第9章 おしおきの時間
抵抗を遅らせたことを後悔する茜。
「──…?」
なんで遅らせたんだ
いざとなれば力づくでと余裕に構えていたからだ。
「抵抗を、やめたか…」
急に大人しくなった茜。
零は耳許で囁いた。
「俺が何しようとしてるか想像できた…? 」
「…まぁ、だいたいな…っ」
「──で抵抗をやめたってことは、……そう捉えていいわけ?」
零は彼女の顔を盗み見る。
「……」
自己反省中の茜は、汚れた天井の一点をじっと睨み付けていた。
・・・・プッ
「……プッ‥ククっ‥‥」
「──なッ // …なに…笑って」
「…いや…っ…だってさ」
零はいよいよ笑いを堪えきれなかった。
吹き出した彼の肩が小刻みに揺れている。