《番犬女》は俺のもの
第14章 水も滴るイイ女
「可愛すぎて襲いたくなる」
座った零は茜の顔を覗きこむ。
「…っ…また…!!」
茜は彼を睨んだ。
またお前は、そうやって私を女扱いして──
「…からかうのはやめろ、だいいち…お前は男が好きなのだと聞いた」
「?」
「…女に興味がないんだろう?それなら私にもない筈だ。……もういいから帰ってくれ…!!」
「……俺、男色家?」
零は吹き出した。
「…っ…ふ、へー、そうだったんだ」
「……っ」
「まぁ、間違いではないけどね? 女だろうが男だろうが、可愛いものは可愛いし、興味がわいたら自分のものにしたくなるだろうから」
「……ものすごい事を口走っているぞ」
「どうでもいいんだよ、男も…女も」