《番犬女》は俺のもの
第16章 新婚生活 開始!?
たのむ!
話を合わせてくれ!
「だよな篠田」
「……うん」
少し不服そうな零だけれど、彼女の意を汲んでそういうことにしておく。
「ああ…そう、あの子たちを見にね」
茜の母が襖を開けると、彼女の帰ってきた声を聞いて興奮していた猫たちが出迎えてきた。
クロとミケとブチ(えっ それ名前なの…!?)
「私が名付けた」
「茜さんが…ね (苦笑)」
母が畳に膝をついて座ると、一番小さなブチがその上にちょこんと座る。
すりよる彼等を愛おしそうに撫でながら零を見た。
「一度拾って世話した限りは、野良にかえすこともできずにこうやって…ちゃんと育てられる保証もないのにね」
「…母さん」
「茜にも苦労かけてるの。呆れてるかもしれないけど…でもとっても可愛いのよ」
「──…」
零は黙って横に座った。
猫たちは初めて見る彼に少し警戒しているようだったが、それでも逃げるようなことはしなかった。
「──お母さん」
「…何?」
「俺に提案があるんですが」