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《番犬女》は俺のもの

第16章 新婚生活 開始!?


けれど茜の母は騙された。

「そ、そんなに悲しまないで…っ」

慌てて項垂れる零の肩に手を添える。



「…そうだわ!」

そしてひらめいた。



…ちょっと嫌な予感。




「あなたが引き取ってくれるなら、この子たちはこのままうちに置いてくれていいわ!」


「本当ですか!?」


「──…? ってことは…」


零に続いて変なことを言い出す母だ。



「それは引き取るとは言えないんじゃ…」

「ありがとうございます!ちゃんとご飯は俺が用意するし何かあったら病院にも連れていきます」

「それはいいわね!」


冷静に口をはさんだ茜だが

いったん盛り上がった二人を沈めることはできなかった。




「いつでも来れるように家の鍵も渡しておくわ♪これで大好きなネコちゃんたちに好きなだけ会いに来てね」


「ういっすお母さん、感謝します」


「いやいやいや…っ」



正気か?母さん!



「鍵はさすがに…!! 落ち着いてよ、篠田を信用しすぎじゃないか!? 」


「大丈夫、篠田くんはいい人だわ。母さんにはわかるのよ!」


「ういっす」


「(イラッ)…こんな時にキャラ変えんな!」





わたわた わちゃわちゃ──



茜の苦労はここから始まった。












────…








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