《番犬女》は俺のもの
第20章 暴かれる
「責任をとるのは当然。あの高校を支配してたのは僕だったから」
「……」
「困った連中にはしつけが必要だからね」
「…支配? なにそれ」
今度は零が笑う番だ。
得意気に語るハルクを馬鹿にする。
「ゲームのしすぎだよ格下クン。そんなカッコ悪いセリフは……うん、そうだな。『さらば人間よ!※』のリーフ君ぐらいで留めといてほしいな」
(※注 … 故郷である地球を救うため魔族の青年が人間を相手に戦う、名前のダサさのわりになかなか泣けてちょっぴり感動すると ちまたで噂のアクションゲーム)
「それ僕もクリアしたよ!」
「俺はやってないから」
「面白いよ?レイにも今度貸してあげるさ」
「‥‥い ら な い」
零が強く念を押し
ざんねん、盛り上がりかけたハルクは肩を落とした。
「…まぁでも、ゲームでやるのと現実とでは凄く違いがあったな。──…実際は、…ゲームほど難しくなかった」
「へぇ、よかったね」
「僕に歯向かってきた奴には 後できっちり後悔するように…さ、そうしてったらあっという間にゲームクリア。面白くないよね~」
「へぇ、残念だったね」
感情のない相槌( アイヅチ )
青崎でハルクがどんな存在であったのか…零はすでに知っていたのだ。