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《番犬女》は俺のもの

第21章 秘め事


「──…つまりはその息子がハルクか」


やっと口を割った零の話を聞いて
茜は納得する。


“ なるほどそれで、暇をもて余したボンボンのご登場というわけだな ”


後ろの二人は坊っちゃんのボディーガードといったところ。

どうりでそのへんのチンピラとは雰囲気が違う。




…けれど、零が忠告したいのはこの先だ。




「ついでに言うけどロンドンのホテル王は金融街からテムズ川を南に渡ると…裏社会のボスに変わる」



つまり、ただのボディーガードとも若干の違いがある。



「…!なんだよそれ…」

「子供は親に似る ってネ」

「──…!!」


そんな話

もちろん聞いたことなどなかったが。

それが事実ならやはりハルクは危険だろうが。



「いつから知っていた…!?」

「何日かまえ」

「…ッ だったら何故私に教えない?それを知っていたらもっと──」


…茜は言葉を途切れさせた。


知っていたとしても何もできない。



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