《番犬女》は俺のもの
第26章 決別
その言葉遣いは年々、男っぽく変わって──
中学に入る頃には、クールで《カッコいい》そんな茜ちゃんは他の女の子たちから人気を集めた。
そして、今も
目の前の彼女は店内の視線を一身に集める美青年にしか見えなくて…、一緒にいるだけで誇らしく、ドキドキしているわたしはデート気分。
そんな彼女に憧れて、甘えていたの。
──でも、このままじゃ駄目なのよね。
そう気付いたのは、最近の事で
この年の夏……あの事件がきっかけで。
「茜ちゃんが、わたしのために先輩を殴ってしまったから。…それを聞いたとき、凄く、凄く辛い気持ちになった自分がいたから」
「──…ごめん」