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すべてはあの日から

第10章 一途な二人

―――‐‐‐…

「…なるほどな、好きな奴に告白できなくて 意気消沈ってか…」


「そんなにはっきり要約されると、案外傷付きますね」


ベッドに隣同士で座りながら、今日の出来事を話す。

部屋の灯りを点けずに、月夜のぼんやりとした明るさの中で

ぽつりぽつりと言葉を紡ぐ。



「で、自信つける為にお菓子まで作って行ったのに、

結局伝えずに帰ってきたと…」


「まぁ…そんなとこです」


ほんっとに直球だな…

さっきから胸にグサグサと痛みが…



はぁ…、と深い溜め息を吐き、遠くを見るような目をする誠さん


「…何でこうも本当にほしいものは手に入らないんだろうな……」



咄嗟に誠さんの方に振り向くと、


「俺は正直、このまま結婚までもっていきたい」

と凛とした眼差しで見つめあう。


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