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すべてはあの日から

第13章 真意は央央と


「でも、誠さんと…」

「あぁ、榊には“譲って”もらったよ」

「…譲って…って?」


斎藤さんは、顔を近付けたまま、怪しく笑う。


「真央は知らない方が良いと思うよ」


……斎藤さん…
笑顔のはずなのに、怖い…


「以前から手回ししてたんだけど、
なかなか榊が首を縦に振らないもんだから」


徐々に近付く斎藤さんの顔に、完全にフリーズしてしまった。


「…もう榊のことはいいから…」


悩殺された私は、妖艶なオーラを纏った彼によって、


「………ん、っ…」


強く唇を吸われ、
とろけるような舌に私のものも絡みつき、


「……んん…」


やっと離れた時には、唾液が線を引いていた。

プツンと切れたそれが、私の顎に付くと、
斎藤さんが舐めとる。


「……俺と結婚するの嫌だ?」


社長さんだったこととか、

何故私が誠さんと婚約予定だったのを知ってたのかとか、

誠さんとの間で 何があったのかとか、

訊きたいことは沢山あるけど……


「真央、好きだ…、
俺の荒んだ心を癒して、前を向かせてくれたのは
真央だったんだ」


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