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すべてはあの日から

第9章 想いよ、とどけ…


「…真央?」

なかなか言葉を紡げずに、

「じゃあ、お菓子は後で食べて下さい」


と笑うことしかできなかった。


そして素早く方向転換して、


「真央!」と焦る声も無視して走った。



時折吹く風の音も、


自分の荒い息遣いも、


もう何も感じなかった。





……昨夜の振り絞った勇気なんて、




何処にも、






微塵も存在しなかった。



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