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スーパーボール

第21章 メガホン*天然*血

階段を上がる。
息が上がる。
温度が上がる。
足が上がる。

どれだけ進んでも見えるのは闇。

ここは、どこなんだろう。

考えても無駄なんだ。
だって僕は生死を彷徨ってる。

この階段を登りきれば、
僕は元の世界に生きて戻れる。

登りきれなかったら、
僕は死んでしまう。

怖い。
進みたくなんてないんだ。

だけど、進まなきゃ。

生きて戻れなくなっちゃう。

「ねえ、こっち近道だよ」

急に手を引かれて、
周りが明るい光に包まれる。

「僕は、大野智。
よろしく、相葉雅紀君」

大野智と名乗る人物は真っ赤だった。
ちゃんと人間。

なのに、真っ赤なんだ。

ベッタリ顔にこびりついてる。
これ、赤じゃない?

所々で黒くなってる。

「ん?コレ?血、だよ♪」
「え」

嬉しそうに笑ってた。

「ここはね、天国なんだよ」
「え」

僕、死んだの?

「知ってた?天国って真っ赤なんだ」
「ま、真っ赤?」

「そ、当たり一面“血”だらけ」

『“血”だらけ』
……妙にリアルだった。

「皆、感覚がないから痛くないんだ。
それにね、殺しても死なないの。」

大野智がポケットから銃を取り出した。

「見ててね」

バンッ!

撃たれたその人は笑ってた。

「またかよ、智ー」
「ごめんね、新人君の為♡」

…足が震えた。

「相葉雅紀君」
「は、はい……」

「僕のこと、怖い?」

俺は首を横に振る。
大野智は怖くないんだ。

この世界が怖い。

「じゃあ、ようこそ」

大野智が僕に銃口を向けた。

「え?」
「相葉雅紀君、君をここに招待します」

何を、言っているの?

「ここは天国でもない。
そして、地獄でもない。」

…ココハドコ?

「リアルだよ♡」

バンッ!

-END-

※頁数が少ないのであとがきなしで(笑)
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