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君とうたった思い出[うた]を僕は忘れない

第1章 部活

私は安藤智恵。学院の1年生。入学して2ヶ月が過ぎ、ようやく学院生活にも慣れてきたところ。
「智恵。」聞き覚えのある優しい声。振り向くとそこには私の幼馴染の前田京介がいた。「まーた同じクラスかよ。飽きるよな」そう言って私の頭に手をのせる。家が隣同士で、まるで兄妹のように育てられてきた。私はずっと京介のことが好き。相手は気付いてないと思うけど。その想いはまだ、言わずにしまっとく。
飽きるって何よ。ほんとに私だって飽きるし。
素直になれなくてかわいくない態度をとっちゃう。私の悪い癖。そんなたわいもない会話をしながら廊下を歩く。1年生への部活の勧誘が本格的に始まった。
そういえば京介、何の部活入んの?またバスケ?
「あー。そうだなー。何も入らないで家帰ると、沙奈が受験勉強やってるから邪魔になるだろ。だから入ろうと思ってる。そうなるとバスケかな。」京介はバスケ部のエースでキャプテンもやってた。
そっかーやっぱりね。
沙奈っていうのは京介の妹。私たちより1つ下で受験生。でもね、京介と沙奈ちゃんは血が繋がってないんだ。少し前に京介のお母さんが再婚して、その再婚相手の連れ子が沙奈ちゃん。沙奈ちゃんと沙奈ちゃんのお父さんはよく似ている。誰にでも笑顔で、それは私にも例外じゃなくて。私はすぐに人見知りするタイプだからそういうところに憧れる。
「智恵は何部入る?」
どうしよう。決めてないけど。
「またマネ?」
そうだなー。やっぱりマネかな。
私は中学時代も男子バスケ部のマネージャーをやっていた。まわりの友達は羨ましがっていたけど皆が期待するような部員とマネの恋愛とかはなくて、そのまま卒業。
私はとりあえずバスケ部の顧問の先生にマネージャー希望をして、一足先にマネージャーになったんだ。
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