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Slow🎵Step 〜不器用な二人のラブストーリー

第5章 Step 5



里見とのデートの前日は緊張で眠れなかった

当日、テーマパークまでは里見が車を出してくれた

園内は春休みということもあり、平日の割りに思いの他混んでいて、里見ははぐれないように手を繋いでくれた

うーん… 何か違うような気がする

手を繋ぐといっても、何か、引率されているような…
ただでさえ長身の里見と背の低い一果では身長差があり過ぎて釣り合わない

おまけにいつも年齢より下に見られる、下手したら中学生と間違われる一果と、落ち着いた雰囲気で年齢より上に見られる里見とでは大人と子供だ

アトラクションに並んでいる間も後ろからひそひそと話す声が聞こえてくる

「ねえ、超かっこいいよ」

「うん、かっこいい」

「兄妹だよ、きっと」

手を繋いで歩いている時も前からの里見への視線が絶えない
すれ違いざまに皆里見を見て
かっこいい
と言った後必ず一果にちら、と目をやり通り過ぎて行く

「一果ちゃん、お腹空かない?」

「は、はい」

「ほら、また敬語」

「あ、ごめんなさい じゃなくて、ごめ、ん」

くすっ
「一果、可愛い」

思わぬ展開から里見が自分の気持ちを告白して両思いとわかってから、里見は一果に二人の時は敬語を使わない
と約束させていた

本当はファーストネームで呼ばせたかったが、それは少し待って欲しいと泣きそうになりながら懇願されてしまい、この件に関しては今回は仕方無く里見が折れた


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