
Slow🎵Step 〜不器用な二人のラブストーリー
第1章 Step 1
インターホンの音に起こされた
うーん… うるさいなぁ
今日は日曜日、本を読みながらいつの間にか眠ってしまっていた
伯母様、いないのかしら
一果は仕方無く起き上がり階下へ降りると、インターホンを取る
「はい」
「あ… こんにちは、先生はいらっしゃいますか」
ああ… 伯父様のお客様か
「あの、伯父様も叔母様もお出掛けみたいです」
「…そう、ですか」
「…何かお約束でしたか?」
インターホン越しに相手が困っている様子が伝わってくる
「在学中、先生にお世話になった者です お借りしていた本をお返しする約束で伺ったのですが…」
伯父様、またいつもの調子で忘れているのだわ
「わかりました 今、開けますね」
「こんにちは、どうぞお入りください」
「あ、いや… ここで結構です …ああ、そうだ、これ、先生からお借りしていた本です よろしくお伝えいただけますか?」
「はい」
「それでは」
爽やかに会釈すると帰って行った
大学生かな…
一果はリビングのテーブルに本を置こうとして表紙に目を止める
ミルクティーを入れると部屋へ戻り、先ほど言付かった本を読み始めた
天気の良い午後だった
