
Slow🎵Step 〜不器用な二人のラブストーリー
第8章 Step 8
のそのそと起き出して鏡を覗くと寝不足で酷い顔だったが仕方ない
いつものように最低限のメイクをするとお気に入りのワンピースに着替えた
久しぶりに好きな人に会えるのだ
デートと言えるのかどうかわからないができるだけお洒落して行きたかった
遅れたらいけないと思い、早目に出たのだがそれにしても早く着きすぎてしまった
駅の改札を出て周囲を見回すが流石にまだ来ていないようだ
小ぢんまりとした駅だが主要駅にほど近いこの駅は休日のこの時間とはいえ割と人通りが多い
先ほどから一人で誰かを待っているらしい、子供にしか見えない小柄で華奢な身体と目鼻立ちの整った美少女に気付いてちらちらと視線を向けながら通り過ぎて行く人もいた
が、当の本人は全く気付いていないようだ
可愛らしいというよりは整った美形な顔立ちと小柄で華奢な身体のアンバランスが返って悪目立ちしてしまう
一果は大学に入学してからも相変わらず定期的に告白されていた
