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Slow🎵Step 〜不器用な二人のラブストーリー

第9章 Step 9



マンションのオートロックを通りエレベーターに乗るとやっと口を開いた

「連絡もしないでごめん… 手が離せなくて… 少しでも空いた時間にメールくらいしようと思ったけど会えないのわかってて言葉が思いつかなくて…
あと少ししたら目処が立ちそうなんだ
目処が立ってから連絡しようと思ってたけどゴールデンウィークも夏休みも会えそうもないから今日無理矢理休み取った」

「いいんです 大切な研究で手が離せないのわかってるから大丈夫です」

「一果、敬語に戻ってる」

「あ… ごめん、なさい」

「昨日、資料ありがとう」

「うん」

「でも、顔が見たかったな… 何か予定でもあった?」

「ううん… 何も無いけど、忙しいと思って」

「そう… 今日はゆっくりできる?」

部屋の鍵を開けて中に入るとこくりとうなづく一果のくちびるに里見のくちびるが覆いかぶさる

「おいで」

広めのワンルームの奥にはベッドが置いてある
簡単なキッチンのある手前側には革張りのソファが置いてあった

ソファに促され隣に座ると小さな包みを渡される

「これ、受け取ってくれるかな… ゆっくり選んでる時間もなくて… 本当は一緒に選びたかったんだけど」

「いいの?」

「合格祝い、まだしてなかったでしょ 一緒に行って一果の気に入ったの買いたかったんだけど時間取れなくてごめん 開けてみて」

包みを開けると赤い石の入ったハートを型どったピンクゴールドのピンキーリングが入っていた

「わあ… 可愛い ありがとう」

「気に入った? 貸して」

左手の小指に着けてくれた


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