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Slow🎵Step 〜不器用な二人のラブストーリー

第10章 Step 10



噂のこと聞きたかったのに結局聞けなかったな…

ベッドの上で左手のピンキーリングを触り、見つめながら呟く

ても…
薬指空けておいて、約束、って言われたじゃない

「いっちゃん? 一果? 一果、入るわよ」

知らぬ間に寝てしまったらしい
叔母に起こされる

「どうかしたの? あら、まあ、すごい熱」

身体のあちこちが怠くて痛んだ

「38℃あるわ 何か食べられる? 今、卵粥作って持ってくるから 寝てなさい」

子供の頃から疲れるとすぐに熱を出す一果に
叔母は心配しながらも慣れたものだ

「少しでもいいから食べて寝なさい 明日は学校無理ね 朝電話しておくから、寝てなさいね」

翌朝、ラップを掛けたサンドイッチとポットに入れた紅茶を持って部屋へ来ると心配しながらも叔母は仕事に出かけて行った

今日はゆっくり寝てるしかないな…

どちらにしても、とても起き上がれそうになかった
あれからずっと、まだ里見が中にいるような感覚がある
身じろぎするだけで身体中が痛んだ


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