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Slow🎵Step 〜不器用な二人のラブストーリー

第11章 Step 11



「佐藤くん、これ、課題 のお礼」

「サンキュ、クッキー?」

「うん、ほんの気持ち… もし苦手だったら誰かに」

「美味いよ、これ」

「そう? 良かった ソルトクッキーにしてみたの」

週末、身体は回復したし、気分も良いので久しぶりにクッキーを焼いた

…里見さん、差し入れ喜んでくれるかな

研究室に何人いるかわからないので多めに作って来た
少し日持ちする物の方がいいと思ってクッキーにした

今日は会えるといいな

ゼミの後、里見の研究室へと足を向ける一果の姿が研究室の窓際からも見える

「こんにち、は…」

「四季ったら いやぁ ちょっと、ダメだったらぁ そろそろ誰か戻って来るよ」

「………」

「部屋に帰ってからゆっくり、ね?」

「………」

ふふ、上手くいったかしら…
これに懲りてあんたみたいなお子様は四季に近付こうなんて思わないないことよ

入口でカタンと小さく音を立てて走り去る後ろ姿を確かめると何か落ちている

「なあに、これ」

ふんっ

ゴミ箱がガタンと音をたてた



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