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Slow🎵Step 〜不器用な二人のラブストーリー

第12章 Step 12



メール着信音で目を覚ますとちょうど昼を過ぎたところだ

____了解!!
退院できて良かったな
明日ゼミで会おうな
今日はゆっくり寝てろよ

佐藤くんからのメールだ

…ふふ
佐藤くん
相変わらず優しいな

これだからモテるわけだよね

モテるといえば…

物静かで佐藤とは違うタイプだが里見もかなりモテるだろうことは簡単に想像がつく

実際、付き合う前に連れて行ってもらったテーマパークでも実証済みだ

付き合う時に覚悟はしていたがこれほどまでとは
自分の甘さが嫌になる

里見に関する色々な噂が飛び交っていることはあまり人付き合いが得意ではない一果の耳にも既に届いていた

大学での里見には常に取り巻きが張り付いている

ましてや、周りは一果と里見が付き合っていることすら知らないのだ
里見にアタックする学生は後を絶たなかった

なまじ同じ大学なだけに聞きたくもない噂ばかりが耳に入るのだ
里見のいる大学を選んだことを少し後悔していた

しかし、一果はどんな噂話も気にしないことにしていた

だが、今回は現実を目の当たりにしてしまい流石に天然の一果もかなり応えた

明日研究室を訪ねてみよう

極力、里見の邪魔になるようなことはしたくなかったが背に腹は変えられない

キッチンで伯母が用意しておいてくれた昼食を簡単に済ますとベッドに潜り込む
だいぶマシになったが、また頭痛が襲う

いつまでこの状況が続くのだろう
こんなに苦しいのならいっそ諦めてしまおうか
一果が里見を諦めれば済むことだ

次はとても耐えられそうもない

一刻も早く楽になりたかった


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