Slow🎵Step 〜不器用な二人のラブストーリー
第13章 Step 13
カフェ兼用の学食は時間が時間なだけに空いていたが、ちらほらと残っていた学生が目ざとく里見の姿を見つけて興味津々にこちらを伺っている
「キャー!!! こんな時間にこんなところで里見さんに会えるなんてラッキー」
「ねえ、あの子誰? 里見さんとツーショットで現れたわよ」
「里見さんてああいうのがタイプなの? 嘘でしょ」
「まっさかぁ、あんなお子ちゃま、親戚の子? 妹とか?」
「そうよね、まさか」
…むうぅ 全部しっかり聞こえてますけど
俯いて座っている一果の後方から割と大きめの声でヒソヒソと囁き合う声が聞こえてくる
「里見さん、ご機嫌よう」
「里見さん、ご機嫌いがが?」
ドリンクカウンターでは里見が早速声を掛けられている
「あちらで一緒にお茶でもいかが?」
「あら、里見さんがお一人なんて珍しいこと… ご一緒しませんか?」
「いや、悪いけど、遠慮してもらえるかな」