Slow🎵Step 〜不器用な二人のラブストーリー
第14章 Step 14
「ごめんね」
「謝らなくてもいいからさ、今日のこと、一応里見さんに話しておけよ」
「…うん、そうする」
「腹減ったな 何か食って帰るか お前時間ある? 付き合えよ」
「う、うん」
結局いつものファミレスで佐藤はドリアを、一果はフォカッチャを注文した
「うふふ」
「ん? 何? どした?」
「あ、ごめん だってすんごい幸せそうに食べるからっ」
「何だよ、俺見て笑ってんの? 失礼な奴だな それ旨そうだな」
「あ、食べていいよ」
「食べさせてよ」
「え?」
「さっきのお礼♪」
「わかった はい、あーん」
「ん …まあまあだな」
「えー? まあまあなの?」
「ん、まあまあ美味い」
などと言い合いながら和気あいあいとした二人のやり取りを先ほど佐藤の後ろの席に陣取った女性陣が何やらヒソヒソ話しながらこちらを振り向いている
しまった…
このファミレス大学の御用達だった
「佐藤くん、そろそろ帰ろうか」
「ああ、そうだな お前病み上がりだったんだよな 明日のゼミは休むわけにいかないからな 帰るか」
「うん」