Slow🎵Step 〜不器用な二人のラブストーリー
第14章 Step 14
「はぁ…」
家に帰り部屋に入ると一果は盛大に溜息をついた
心配する佐藤に約束したものの、ただでさえ忙しい里見の耳に余計なことを入れたくなかった
久しぶりの学校で疲れた
何も考えたくない
明日にしようなどと考えを巡らせているうちにいつの間にか寝落ちてしまった
翌朝気持ち良く目覚めた一果だったが、昨日のことを思い出して急に気分が重くなった
胃の辺りがずしんと重い
食欲はあまり無かったが機械的に適当に詰め込んで家を出た
「一果、おはよ」
「あ、佐藤くん、おはよ」
今日は大切な講義だから、と意気込んで早めに学校に着いてしまった
講義にはまだ早いが適当に席についてぼうっとしていると佐藤がどっかと一果の隣に陣取ってしまった
周囲の女子の視線が痛い
こんな事なら、もう少し目立たない席に座っておけば良かった、と後悔する
「佐藤くんと話してるあの子、誰?」
ほら、きた
お決まりの会話が周囲から漏れ聞こえてくる